- 中学校で習った助動詞 can の復習がしたい
- can の複数の使い方を知りたい
- can とcould の使いこなしたい
この記事では、海外経験のあるてんとう虫太郎が、助動詞 can について詳しく解説します。
これを読めば、次のことが期待できます。
- can の4つの基本用法がわかる
- can と could の違いがわかり、より深い表現ができる
- can を使った英語の表現が学べる

中学校で習った can を使って英会話力を高めよう!
can の品詞と役割を理解しよう
「can」 の品詞は、助動詞です。
助動詞にはたくさんの種類がありますが、特に中学校で学んだ代表的な助動詞には、「can」「must」「may」「will」「might」「could」「should」などがあり、それぞれ異なる意味で使われます。
can を含む文と含まない文の違い
英語の助動詞は、単独では文の意味を成すことはありませんが、動詞の前に置くことで、その動詞に特別な意味を与えたり、過去、現在、未来などの時制を加えることができます。
下記の例文で、助動詞 can の有無を比べてみましょう。
- I speak French.
(私はフランス語を話します。) - I can speak French.
(私はフランス語が話せます。)
1の文章は「私はフランス語を話す」という事実を述べていますが、2の文章では助動詞 can によって「〜できる(可能)」という意味が加わっています。
また、中学英語の復習になりますが、主語にかかわらず、助動詞の後に続く動詞は必ず原形になります。
I can play basketball. (私はバスケットボールができます。) | 可 | 助動詞の後にくる動詞が原形になっているので正しい。 |
She can plays basketball. (彼女はバスケットボールができます。) | 不可 | 助動詞の後にくる動詞には、三人称単数の「s」をつけてはいけない。 |
She can play basketball. (彼女はバスケットボールができます。) | 可 | 助動詞の後にくる動詞が原形になっているので正しい。 |

三人称単数現在でも「s」は不要!
助動詞を学ぶと、英文法の理解が深まり、より豊かな表現ができるようになります。
can の基本の4つの意味と使い方
助動詞 can には、主に下記の4つの意味があります。
それぞれの例文を見ていきましょう。
① ~できる(能力)
- 肯定文
I can play the violin.
(私はバイオリンが弾けます。) - 否定文
He can’t swim at all.
(彼は全く泳げない。) - 疑問文
Can she speak English?
(彼女は英語を話せますか?)
この場合の can は「~できる」と訳されます。
能力を表す can は、肯定文、否定文、疑問文で頻繁に使われます。
② ~してもいい(許可)
- 肯定文
She can leave early today.
(彼女は今日は早く帰ってもいいです。) - 否定文
You can’t park here.
(ここに駐車してはいけません。) - 疑問文
Can I open the window?
(窓を開けてもいいですか?)
この場合の can は「~してもいい」と訳されます。
許可を表す can も、肯定文、否定文、疑問文で頻繁に使われます。

特に疑問形の「Can I 〜? 」は、とてもよく使われるよね。
③ ~かもしれない(可能性)
- 肯定文
It can be dangerous to swim in this river.
(この川で泳ぐのは危険かもしれない。) - 否定文
It can’t be true.
(それが本当であるはずがない。) - 疑問文
Can it really be possible?
(それは本当にあり得るのでしょうか?)
可能性をあらわす can では、肯定文、否定文、疑問文で、ニュアンスが異なります。
肯定文 は「可能性がある」というニュアンスで自然に使われます。
⇨It can be true.
(それは本当かもしれない。)
否定文 では「あり得ない」「はずがない」という強い否定の意味になります。
⇨It can’t be true.
(それは本当であるはずはない。)
疑問文 は「本当にそうなのか?」と可能性についての確認や疑いを示す場合に使われます。
⇨Can it be true?
(それは本当なのか?)

なかなか奥が深いね……
④~してくれませんか(依頼)
- 疑問文
Can you open the door?
(ドアを開けてくれませんか?)
Can you give me a ride?
(車で送ってくれませんか?)
依頼の can は「〜してくれませんか」という意味で、疑問文の Can you〜? という形で表されます。
Can I〜? と Can you〜? の比較
- Can I 〜? (〜してもいいですか?) は、相手に許可を求める丁寧な表現です。
Can I talk to you now?
(今話してもいいですか?)
Can I smoke in this building?
(この建物内で煙草を吸ってもいいですか?) - Can you 〜? (〜してもらえますか?) は、相手に依頼する直接的な表現です。
Can you pass me the salt?
(塩を取ってください。)
Can you help me with this?
(これ、手伝ってくれませんか?)
can の使い方一覧
助動詞 | 役割 | 意味 | 例文 | 和訳 | |
① | can can’t | 能力 | ~できる | Ken can play the trumpet. I can’t play basketball. Can you slove this problem? | (ケンはトランペットが吹けます。) (私はバスケットボールができません。) (あなたはこの問題が解けますか。) |
② | can can’t | 許可 | ~してもいい | You can go home now. You can’t stay here. Can we eat lunch now? | (もう帰っていいですよ。) (ここに居てはだめです。) (私たちは今ランチを食べていいですか。) |
③ | can can’t | 可能性 | ~かもしれない 〜のはずはない | You can be right, but I’m not sure. That can’t be the right answer. Can this be a coincidence? | (あなたは正しいかもしれないけど、私には確信が持てない。) (それは正解ではないはずだ。) (これは偶然なのだろうか?) |
④ | can | 依頼 | ~してくれませんか | Can you send me the details? Can you show me your passport? | (詳細を送ってくれませんか?) (パスポートを見せてくれませんか?) |

can でいろんな表現ができるね!
canとcould の違いを理解しよう
can と could はどちらも「できる」という意味を持つ助動詞ですが、ニュアンスや使い方が異なります。
Can と Could の違い ① (能力)
- Can
現在または未来の能力を表します。
I can speak English.
(私は英語が話せます。) - Could
過去の能力を表します。
I could speak English when I was a child.
(子供の頃は英語が話せました。)
Can と Could の違い ② (許可)
- Can
許可を求めたり、与えたりする場合に使います。
Can I use your pen?
(あなたのペンを使っていいですか?)
You can use my pen.
(私のペンを使っていいですよ。) - Could
can より丁寧に許可を求めたり、与えたりする場合に使います。
Could I use your pen?
(あなたのペンを使っても構いませんか?)
You could use my pen if you don’t have one.
(もしお持ちでなければ、どうぞ私のペンをお使いください。)
Can と Could の違い ③ (可能性)
- Can
couldより高い可能性を表します。
It can be dangerous.
(危険かもしれない。)
Can it be dangerous?
(それは危険なのでしょうか?) - Could
can より低い可能性を表します。
It could be dangerous.
(ひょっとして危険かもしれない。)
Could it be dangerous?
(それはもしかすると危険なのでしょうか?)
Can と Could の違い ④ (依頼)
- Can
直接的な依頼をする時に使います。
Can you pass me the sugar?
(砂糖を取ってくれませんか?)
Can you show me the direction?
(道順を教えてくれませんか?) - Could
can よりも丁寧に依頼をする場合に使います。
Could you pass me the sugar?
(砂糖を取っていただけませんか?)
Could you show me the direction?
(道順を教えていただけませんか?)

それぞれニュアンスに違いがあって面白いね。
can だけじゃない!「~できる」を表す他の英語表現
can 以外の言葉を使った「〜できる」という表現を集めてみました。
be able to
「〜できる」という意味の can と be able to は、基本的に同じ意味で使われます。
She can play the piano.
(彼女はピアノが弾けます。)
She is able to play the piano.
(彼女はピアノが弾けます。)
ただし、ニュアンスに若干の違いがあります。
can は、よりカジュアルで口語的な表現で、日常会話では一般的にこちらが自然です。
一方で、be able to は少しフォーマルで堅い印象を与えることがあり、特に書き言葉や正式な場面で使われる傾向があります。
have the ability to
have the ability to は、「~する能力がある」という意味を持つ表現で、とてもフォーマルな言い回しです。
He can solve complex problems.
(彼は複雑な問題を解決できます。)
He has the ability to solve complex problems.
(彼には複雑な問題を解決する能力があります。)
have the ability to は、非常にフォーマルで正式な表現なので、ビジネスやアカデミックな場面で多く使われます。
capable of
capable of は「~する能力がある」「~が可能である」という意味を表し、特定の能力や可能性を強調する際に使われます。
Our team is capable of handling difficult tasks.
(私たちのチームは困難なタスクを扱う能力があります。)
He is capable of making quick decisions.
(彼は素早い決断を下すことができます。)
capable of は、適性や可能性に焦点を当てた、フォーマルな表現です。
未来の「~できる」は will be able to で表現
「〜できる」を表す助動詞 can の過去形は、could ですが、未来形の助動詞はありません。
その代わり、未来の「〜できる」は、will be able to を使います。
例えば、次の例文のようになります。
They can finish the project on time.
(彼らはそのプロジェクトを時間通りに終わらせることができます。)
They will be able to finish the project on time.
(彼らはそのプロジェクトを時間通りに終わらせることができるでしょう。)
現在形の be able to は、フォーマルな場面で使われますが、will be able to は、カジュアルからフォーマルまで広く使われます。
そのため、will be able to は日常会話など、どんな場面でも問題なく使えます。

むずかしい……

そうだね……でも、

We will be able to get it if we keep studying.
can と can’t の発音の違いを聞き比べよう
アメリカ英語
can
発音記号: [kən] / [kn] / [kæn]
I can do.
can’t
発音記号: [kænt]
I can’t understand.
イギリス英語
can
発音記号: [kən] / [kæn]
I can do.
can’t
発音記号: [kɑːnt]
I can’t understand.

アメリカ英語はアクティブで、イギリス英語は上品な響きだね。
can を使った便利なフレーズ集
can’t wait
can’t wait は、「待ちきれない」「楽しみ」という意味で使われます。
I can’t wait to see you!
(君に会うのが待ちきれないよ!)
He can’t wait for his vacation to start.
(彼は休暇が始まるのを待ちきれない。)
can’t help -ing
can’t help -ing は、「~せずにはいられない」「どうしても~してしまう」という意味で、自然な感情や行動を表現するフレーズです。
She can’t help checking his smartphone every ten minutes.
(彼女は10分ごとにスマートフォンをチェックせずにはいられない。)
I couldn’t help laughing when he made a silly joke.
(彼がくだらない冗談を言ったとき、笑わずにはいられなかった。)

エルビス・プレスリーの “Can’t Help Falling in Love” の邦題は、「好きにならずにいられない」だったね。
You can say that again.
You can say that again は、「 全くその通りだ」という、同意を示すカジュアルなフレーズです。
It’s so hot this morning.
(今朝はすごく暑いね。)
You can say that again.
(本当にその通りだよ。)
can’t get enough of
Can’t get enough of という表現は、「〜をやめられない」という意味で、何かをとても気に入っていて、飽きなくてやめられない状態を表します。
I can’t get enough of his new song.
(彼の新しい曲が大好きで、何度でも聴きたくなる。)
I’ve been listening to it all day!
(1日中ずっと聴いているよ!)
オバマ元大統領の「Yes we can」
ずいぶん前になりますが、2009年から2017年のオバマ元大統領の任期中に、“Yes we can!”というフレーズが流行りました。お笑い芸人のノッチさんのモノマネでも人気が出たので、大人の人は覚えている人も多いと思います。

ノッチさんのモノマネ、流行ったよね、懐かしい~!
can の勉強をしているので、ぜひもう一度、オバマ元大統領の演説を聞いてみましょう!
シカゴでの、オバマ大統領任期最後のスピーチの動画です。
国民の皆さん。我が国のために尽力することができたことは、自分の生涯の誇りです。
私は決して立ち止まりません。今後は、一国民として、人生の残りの日々を、皆さんと共に過ごしていきます。
若者の皆さん、そして若い心を持つ、全ての国民の皆さん。大統領としての最後のお願いがあります。それは就任した8年前にしたのと同じお願いです。
どうか、信じてください。
改革を成すことができるのは、私ではなく、皆さん自身です。
合衆国の独立宣言に書かれている信念を、しっかりと持ち続けて下さい。
奴隷となった人々や奴隷制度廃止を論じた人たちが、秘密裏にささやきながら広めていった理念。
移民や入植者、正義を求めて行進をした人々から歌い継がれた精神。
国外の戦場や月面に星条旗を立てた人々によって再確認された信念。
これからのアメリカに新たな物語をつくっていくすべてのアメリカ国民が抱く、確固たる思い。
"Yes We Can! Yes We Did! Yes We Can!"
ありがとう!皆さんに、そしてアメリカ合衆国に、神のご加護がありますように!
ブログ管理人てんとう虫太郎訳(一部意訳有り)
助動詞 can をもっと理解するためのおすすめ教材
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これ以外でも、好きな教材で、じっくり取り組んでみてね。
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色を抑えた配色になっているので、カラフルな教材が苦手な人には、読みやすいです。何度も読み返せるように、手元に持っておきたい一冊です。

中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。
こちらも、英文法書のベストセラーです。
カラーの文法書の方が、勉強しやすい、という人は、こちらもおすすめです。高校生や社会人にも、幅広く愛用されています。


どちらも、とても良い参考書だよ。
直感的に好きな方を選んでみてね。
まとめ:助動詞 can を使いこなして英語の幅を広げよう!
この記事では主に、can の4つの意味と使い方、could との違いについても説明しました。
繰り返しになりますが、can の基本の意味は、下記の4つになります。
① ~できる(能力)
② 〜してもいい(許可)
③ ~かもしれない(可能性)
④ ~してくれませんか(依頼)
助動詞 canについて学ぶことで、
can の 4つの使い方が分かり、会話の幅が広がる
can と could の違いに留意して、より丁寧で柔らかい表現ができる
このような効果が期待できます。
can も could も日常会話や旅行先、ビジネスでも役立つ単語なので、ぜひ積極的に使ってみてください。

この記事が、少しでも役に立ったら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!